相続税路線価とは

相続や贈与により一定額以上の財産を取得した場合、国により税金が課されます。相続や贈与で現金を取得した場合は、取得金額そのままが課税対象ですので、課税上問題はありませんが、不動産の場合は値札がついていませんので、贈与等でどれくらいの利益を得たのか分かりません。そこで、相続や贈与で不動産を取得した場合、国が課税対象となる不動産の価格を見積もるための基礎となるものが相続税路線価です。

土地評価の基本

 まず、土地の評価の方法についてご説明します。
 土地の評価は、標準価格(いわゆる相場)に、土地の個別的要因格差率を乗じて、土地の単価を求め、これに土地面積を乗じて土地価格の総額を求めます。

 不動産の個別的要因格差率というのは、2方で道路に面するから相場より高く売れるとか、形が悪いから相場より安くないと売れないという、個々の不動産が持つ特徴を数値をもって表示したものです。具体的には、特に特徴がない普通の土地(専門的には標準的画地と呼びます)を1.00と置き、良い特徴を持つ場合1.00+a%、悪い特徴を持つ場合1.00-a%として、個別的要因格差率を求めます。
 次の式は評価の対象となる土地の形状が悪い場合を想定し、標準価格を10万円/㎡、形状が悪いことによる個別的要因を-10%、土地面積を200㎡として土地価格を求めたものです。

 標準価格(10万円/㎡) × 個別的要因格差率(0.9) = 土地の単価(9万円/㎡)
 土地の単価(9万円/㎡) × 土地面積(200㎡) =土地価格総額(1,800万円)

相続税路線価に話を戻しますと、この標準価格(相場)を書いてくれているのが相続税路線価図であり、個別的要因格差率を書いてくれてるのが「奥行価格補正率表」や「財産評価基本通達」というものです。
従いまして、相続税路線価では標準価格(相場)しか分からず、個々の不動産の評価については「奥行価格補正率表」等の理解が必要となり、一般の方には少し分かりにくいものです。
なお、相続税路線価は1㎡あたりの単価として表示され、かつ適正な価格より2割引いた80%で表示されています。すなわち適正な価格が10万円/㎡と国が判断している場合の路線価は8万円/㎡として表示されています。
下のボタンで路線価図等を閲覧できます。

相続税路線価がない時は

 相続税路線価を国が設定していますが、その設定には費用がかかりますので、日本全国の全ての市町村に路線価が設定されている訳ではありません。相続税路線価が設定されていない市町村で相続などが発生した場合の土地の評価方法は、固定資産税評価額に(例えば)1.1倍を乗じて求めるという倍率方式という方法で、不動産の価格が査定されます。固定資産税は市町村の基幹税で、毎年課税する税金であるため、全ての市町村が全ての土地等の不動産の価格を査定しています。固定資産税評価額は個々の不動産の個別的要因格差率を加味しており、適正な価格の7割相当とされています。
 倍率は評価倍率表で調べることができます。評価倍率表は「相続税路線価図」の都道府県を選択した後に表示される「評価倍率表(一般の土地用)」をご覧ください。